不安な状態をどうにかしようとしても無駄! 不安を根本的に解決するには?
多くのREBTのセッションの不安という感情を扱う事が多いかと思います。
しかし、不安な状態を解決しようとイラショナルビリーフを論駁しようとしても、行動変容につながらないケースもあります。
このような場合はもしかすると2次感情を扱った方が良いのかもしれません。
本稿では
- 2次感情とは何か?
- 2次感情を扱うためのポイント
をお伝えします。
Table of Contents
2次感情とは
2次感情とは
「不健康な感情(例えば不安)を感じている自分を見た時にどんな気持ちがするか?」
というものです。
実際の事例で考えてみましょう。
A →activating event (出来事)
B→ belieaf(信念)
C→ consequence(結果)
人前で話すという出来事(A1)に対してクライアントはきちんと話さなければならない(B1)というイラショナルビリーフをもっています。その結果(C1)として不安な感情と全身の震えがおきました。このクライアントはこのC1を感じる自分を見て(A1)不安を抑えなければならない(B2)というイラショナルビリーフにより、その結果(C2)怒りの感情を持ち、周囲に八つ当たりするという自滅的な行動を起こすのです。
2次感情を扱うポイント
1次感情を扱う場合と2次感情を扱うにはそれぞれメリット、デメリットがあります。
従って1次感情、2次感情のどちらを扱うかはそれぞれのメリット、デメリットをクライアントに明示し、合意を取る必要があります。
下記のそれぞれのメリット、デメリットを記します。
- 1次感情を扱う場合
- メリットはアセスメントが単純で、セッションの時間を短くできる可能性がある。
- デメリットは1次感情の変容があっても行動変容までつながらない可能性がある。また苦痛感情の変容に注目する事で苦痛をかえって増幅してしまう可能性がある
- 2次感情を扱う場合
- メリットは1次感情が不明瞭、健康的でも適用可能である。またクライアントがより広範な状況に適用できる可能性がある
- デメリットは苦痛感情を受け入れる目標設定にクライアントが抵抗を示す可能性がある。
上記の例に戻るとB1の「きちんと話さなければならない」というイラショナルビリーフを論駁したとしても人前で話すという事に関してしかラショナルビリーフは適用できません。
しかしながら「不安を抑えなければならない」というイラショナルビリーフへの論駁に成功した場合は人前で話す事以外の他の場面でも不安になる状況に適用が可能となります。
最後に 森田療法との近似性
いかがでしたでしょうか?
2次感情問題を扱う事でより根本的な解決につながる場合があることがお分かりいただけたでしょうか?
以前下記ブログで森田療法を扱いましたがその中で森田療法の考え方として「感情を放っておく」というものをご紹介しました。
REBTで2次感情問題と森田療法の感情の法則との間には近似性があります。
詳細は是非下記のブログをご参照ください。
またそもそも不安感を感じるのはその事を行う事にあなた自身抵抗があるからです。
不安感を感じ続ける事で、もしかして周囲があなたの不安に気づいて助けてくれるかもしれません。
感情はこのように自分の自己防衛として働く場合も多くあり、それを無理に抑える必要は実は
ないのです。
感情は必要なものです。
感情を無理になくそうとはせず、そのままにしておくことが重要ではないでしょうか?