ありのままの自分を受け入れる力:ウェルビーイング実現のための自己理解とREBT

現代社会は、情報過多やストレスの多い環境の中で、私たち一人ひとりが心の健康を保つためにさまざまな挑戦に直面しています。そんな中、自己理解を深め、ありのままの自分自身を無条件に受け入れることが、ウェルビーイング(well-being)—すなわち「よく生きる」ための基盤であるという考え方が注目されています。

REBT(論理療法)では自分自身をありのままに受け入れること(無条件の自己受容)による感情的な問題解決を目指します。

本記事では、まず「自己理解」とは何かを探り、そのプロセスがどのようにして「無条件の自己受容」につながるのかを解説します。さらに、NTT社会情報研究所と金沢工業大学が共同で構築した「ウェルビーイング・コンピテンシーモデル」を例に、自己理解と自己受容が実際にどのようにウェルビーイングの向上に寄与するのかを考察していきます。これらの文章を通して、読者の皆さまが自分自身を深く理解し、「ありのままの自分」を受け入れる一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

自己理解とは何か

ウェルビーイング・コンピテンシーモデルの最初のIのカテゴリーは自己の探求、理解から始まります。
自己理解とは、自分自身の感情、思考、価値観、行動パターンを深く認識し、正しく把握するプロセスを指します。これは、自分がどのような状況でどのような反応を示し、何を大切にしているのか、また、どのような場面でストレスや喜びを感じるのかといった内面の側面を明確にする作業です。自己理解を深めることで、自分の強みや課題、さらには自分自身の本質に気付くことができ、それが自己受容の第一歩となります。

また、自己理解は単なる「自分探し」ではなく、自己成長やウェルビーイングの向上に直結する重要な要素です。自分自身の行動や反応のパターンを理解することで、なぜ同じ状況で同じような結果になってしまうのか、その根本原因を見つけ出す手がかりとなります。

「自己理解」の具体的な手法としては、REBTのセッションを受けること、あるいは一人でできる方法としてREBTのセルフヘルプフォームを活用し、不健康でネガティブな感情や自滅的な行動の根本原因であるr/e B(Ridig/extreme basic attitude:頑なで極端な態度)を見つけ出すことです。そしてr/e B を f/n B(Flexible/non-extreme basic attitude:柔軟で極端ではない態度)に変えることで、より建設的な思考が促されます。

結果として、自己理解は、「無条件の自己受容」へと繋がり、より柔軟で健全な心の状態を維持する基盤となるのです。

無条件の自己受容とは何か

「無条件の自己受容」とは、自分自身のあらゆる側面—良い面も悪い面も、成功も失敗も—を、判断や批判をせずにそのまま認め、受け入れることを意味します。これは、自己理解によって自分の内面や行動パターンを深く把握した後に進むべき重要なステップです。たとえ欠点や失敗があっても、それらを否定せず、自分の一部として温かく受け入れることで、なんの条件も課さない「無条件の自己受容」が生まれます。

「無条件の自己受容」が心の健全な発展と成長に不可欠な要素です。
自己受容が確立されると、外部からの批判や過度な期待に振り回されることなく、自分自身をありのままに尊重できるようになります。その結果、ストレスへの耐性が高まり、より柔軟で前向きな心の状態を保つことが可能となります。

また、「無条件の自己受容」は、他者との健全な関係構築にも大きな影響を与えます。自分自身を十分に受け入れることで、他人に対しても寛容になり、相互理解や共感が促進されるため、より豊かな人間関係が築かれるのです。

このように、「無条件の自己受容」は、ウェルビーイングを実現するための基盤となる重要な要素であり、自分自身を深く理解し、肯定することで、内面から充実した生活が始まるのです。

自己理解から「無条件の自己受容」 そして自己開示へ

REBTを効果的に活用することで、「無条件の自己受容」が進むと他者に向けた「自己開示」が可能となるでしょう。

自己開示とは、「他者に対して自己に関する本当の情報を主に言語コミュニケーションによって伝達することです。

他者に自己開示することで自己の能力や意見に関して他者からの評価や意見が返ってきます。
そうすることで自分自身の能力や意見の社会的妥当性がわかるのです。
たとえ万が一自分自身に対して他者からネガティブな評価が与えられたとしても、すでに無条件の自己受容がなされているため、精神的に大きく落ち込むことは避けられます。
また自己開示は相手に対して、信頼していること、好意をもっていることを暗に伝えます。
信頼されている、好意を持たれていると告げられた相手は、開示者のことを肯定的に認知し、好感を覚えます。これらのプロセスを経て、自分と相手は協働活動が可能となるのです。

「社会」から「地球」全体へ

他者との協働活動は不特定多数の多様な人々を含む社会集団にまで広がります。
自身や多様な人々のウェルビーイングを尊重しながら、社会のよいあり方へ向けて役割を果たしていきます。
社会のよいあり方へ向けて役割を果たすコンピテンシーとして、認知:「社会集団の理解」、感情:「社会集団の受容・尊重」、行動:「社会集団における関係調整」が設定されています。
これらから社会への当事者意識が芽生え、「主体的社会参画」が可能となるのです。
そして、最終的には個人は地球全体に対して、「地球人的視点の取得と持続可能な未来に向けた行動」が可能となるのです。

まとめと今後の展望

本記事では、自己理解を深めることから始まり、無条件の自己受容へと進むプロセスが、ウェルビーイング実現の基盤であることを解説しました。
REBTを通して自分自身の感情、思考、価値観、行動パターンを正直に見つめることで、何が自分にとって本当に大切なのかを理解し、その上で、欠点や失敗も含めた自分自身を判断せずに受け入れる「無条件の自己受容」が、心の安定につながります。

そして、個人の心の安定が行動を誘発して社会、地球に広がるのです。

まずは個人のウェルビーイングを向上させるために、1日1回、REBTのセルフヘルプフォームを利用し、自己理解、自己変革に努めていきましょう。

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