人前で話すと震えが止まらない! そんな時につかえる森田療法の感情の法則とは?
森田療法とは明治生まれの精神科医 森田正馬(もりた まさたけ)が生み出した心理療法です。
この心理療法の中で感情は重要なキーワードとされています。
森田療法を学ぶことで自分の感情の向き合い方の参考になるかと思います。
人前で話す際の過緊張に関してはREBTでのアプローチとして下記のブログでも一度紹介しています。
森田療法はREBTとは違ったアプローチになりますが是非参考になさってください。
森田療法における感情と感情の法則
森田療法のみならず心理療法では「感情」はキーワードです。
認知行動療法及びACTの立場では「感情」は制御が難しいとされています。
そこで認知や行動を変えて、「感情」を変化させようというアプローチが一般的です。
森田も制御が難しいという立場は他の心理療法と一緒ですが、自然の感情とどのように
付き合っていけばよいか、を述べています。
これを森田療法では「感情の法則」と呼んでいます。
【感情の法則】
神経質の本質と療法
・感情はこれをそのままに放任し、もしくはその自然発動のまま従えば、その経過は山形の曲線をなし、一昇り一降りして、ついには消失するものである。
・感情はその衝動を満足すれば、頓挫し消失するものである。
・感情は同一の感覚に慣れるにしたがって、鈍くなり不感となるのものである。
・感情はその刺激が継続して起こるときと、注意をこれに集中するときにますます強くなるものである。
・感情は新しい経験によって体得し、その反復によって、ますますその情を養成するものである。
簡単に言ってしまうと、感情はほっとおく。するといつかは落ち着くということです。
過緊張の私が実際に経験した【感情の法則】
私の場合、人前で緊張して震えが止まらないという過緊張をもっています。
人前でしゃべると思うと緊張し、足がガタガタ震えてきます。
深呼吸したりして、その震えを抑えようとするほど、震えはひどくなります。
このような時は緊張する事を受け入れ、止めようとしない事、これが肝要です。
人前で震えても良いのです。
無理に震えを止めようなんてする事はないのです。
震えてしまい、話がうまくいかなくてもそれで人生が終わるわけではないのですから。
森田療法の【感情の法則】を知った時にこのような心もちになることができました。
【感情の法則】から得られる自分の感情との向き合い方
私のように【感情の法則】を感じとり、自らのものにしていくためには以下4点が重要です。
現実を生きる
人が悩み、感情に翻弄されるときは、過去を後悔し(昔も人前で緊張して恥をかいた)、将来の事をあれこれ考えて取り越し苦労します。(また、過緊張で震えが止まらず、恥をかくに違いない)
そんな事を考えるくらいなら、今この時できる事に集中すればよいのです。
それができれば、悩みは軽くなるのです。
感情の両面性を知る
苦しいから楽もあり、苦しい中に楽があるのです。
苦を避けて楽ばかりを望んでも、無駄です。
人前で緊張して苦しくても、それでも話切った時に楽がやってくるのです。
苦から経験する事
苦を避けてはいけません。
どんな事も苦しい事を乗り越えて初めて楽が経験されるのです。
人前で話すのが苦手だと言って逃げていてはいつまでたっても人前で話す楽しさを経験できないのです。
苦悩に満ちた感情を引き受ける事
苦しい感情を引き受ける事、それを取り除こうとしないことです。
緊張は緊張として感じ、落ち着こうとしないことが重要です。
誰でもうまく話そうとすれば緊張するのです。
その感情をそのまま受け入れると、そのうち緊張は落ち着いてくるものです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
REBT的なアプローチとは違ったアプローチですが、自分自身の感情との向き合い方という所
で参考になるかと思います。
是非森田療法も【感情の法則】も使いながら、自分の感情とうまく向き合ってみてください。