息子よ ママお弁当作ってあげられなくてゴメンね。そんな罪悪感との付き合い方とは?

女性の社会進出が叫ばれて久しい昨今。
女性の負担は増すばかり。
本当は育ちざかりの息子に手作りの弁当を毎日作ってあげたい。
だけど、時間がなくてそれは無理。
人知れずそのような罪悪感を持っているママのあなたに、

  • 罪悪感とはどのような感情で
  • 罪悪感という感情にどのように対処すべきか

をお伝えします。

そもそも罪悪感とはどのような感情か?

罪悪感は、あなた自身の行動をめぐって、あるいは、あなたの行動が他人に害を与えたりしたときに起こります。
罪悪感と羞恥心は似ていますが異なる点もあります。
どちらの感情も、悪い、馬鹿げた、間違った行動と関係します。
ここは罪悪感、羞恥心、どちらにも共通しているといえるでしょう。
しかし、一方で評価される場所に相違点があります。
羞恥心は他人から承認されない場合に生じ、罪悪感は自分自身を承認しない場合に生じます。
但しどちらの場合も、結論は一緒。
「私はよくない人間だ」です。

罪悪感を抱いた場合、以下の態度をとります。

  • 相手に許しを求めたり、プレゼントをあげたり、愛情を注いで「償おう」とする。
  • 自分で自分を「罰する」、あるいは誰かに自分を「罰してもらう」
  • 罪悪感という苦痛を忘れようと「酒、薬物に頼る」
  • 罪悪感を償い終わるまで、「一切の楽しみを断つ」

罪悪感から取るこういった行動は、羞恥心からとる行動「隠す・潜伏する・もみ消す・逃げる」
とは対象的です。

罪悪感への対処法

では罪悪感に対処するにはどうすれば良いのでしょうか?

REBT(Rational-Emotive Therapy)のABCモデルで分析してみよう

下記の記事でも紹介しましたが心理療法家のアルバート・エリスのREBT(論理療法)のABCモデルでは
A(activating event=出来事)C(consequence=結果 感情と行動)をつくりだす
のではないとしています。

A(activating event=出来事)を経験し、
その出来事はその人のB(belief=信念)に基づき認知、評価、検討され、
C(consequence=結果 感情と行動)
を生み出すのです。

したがって、B(belief=信念)変えることができれば自ずと罪悪感はより適切な自責に変化させる
事が可能です。
自責とは、罪悪感より穏やかな感情です。
自責は、出来事に対して自分の責任をある程度認めつつもすべての責任が自分にあるとは考えません。
したがって、自分自身を罰したりする事もありません。
「子供にお弁当を作れない事は申し訳ないが、フルタイムで仕事をしている以上、弁当を作れない
 事もあるのは致し方ない」
と冷静に考える事ができるのが自責なのです。

上記の例を早速ABCに分解してみましょう。
A(activating event=出来事)
「息子に今日はお弁当を作ってあげられなかった」です。
C(consequence=結果 感情と行動)
感情は罪悪感です。
B(belief=信念)
「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作るべきだ。それができない私は母親として価値がない
ですね。
このビリーフをアルバート・エリスはイラショナルビリーフ(固定的信念)と呼んでいます。(略してIB)
では、このIB(belief=信念)に反論していきましょう。

怒り、不安などの不健康な感情に振り回されなくなるABCモデルって何?

果たしてネガティブな感情はいらないのか? 朝起きて、満員電車に乗れば、隣のおっさんの息が臭くてムカつく。 会社ついたら、出世頭の同期とすれ違う。 「なんであいつは…

実際に反論してみましょう

では実際に
「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作るべきだ。それができない私は母親として価値がない
というイラショナルビリーフ(固定的信念)に
・論理性
・現実性
・実用性
の観点で反論していきましょう。

論性性で反論する

母親だけが子供の栄養バランスを考えなければいけないのでしょうか?
子供のためにお弁当を毎日つくらなければいけないのでしょうか?
その証拠はどこにあるのでしょうか?
そのようなルールは誰が決めたのでしょうか?

確かにそのような事は喧伝されて、ルールのように言
われる事もありますが現実にはそのようなルールなど
どこにもありません。

母親だけではなく、父親だって子供の栄養バランスを考えた方が良いはずです。
また子供のために毎日お弁当を作った方が良いかもしれませんが、毎日お弁当を
作ることで法律的に罰せられるわけではありませんね。

「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作るべきだ。それができない私は母親として価値がない
という考えに論理性がない事はお分かりいただけたかと思います。

現実性で反論する

仮に「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作るべきだ」という考えが本当であった場合、
現実世界はどうなっているのでしょうか?
仕事をもっているお母さん達は、お弁当を作るために仕事を休む必要がでてくるかも。
それに従い会社も「弁当作り休暇」といった制度を作る必要がでてくるかも。
しかし将来はともかくとして現実には行われていないところを見ると、
この考えは現実性がないことがわかりますね。

実用性で反論する

「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作るべきだ。それができない私は母親として価値がない
という考えは実用性ではどうでしょうか?
あなたにとって、このような考えを持ち続けるメリットはあるでしょうか?

あなた

苦しいだけで、メリットなんてない!

そうですね。
論理性、現実性でこの信念に反論してきた、あなたなら既にお分かりですね。
この信念を持ち続ける事自体、あなたを不健康にするだけで何の実用性(メリット)
なんてないのです。

新しい信念(ラショナルビリーフ)を創り出す

このようにあなたの信念がIBとわかったらラショナルビリーフ(柔軟な信念略してRB)作ります。
例えばこのようなRBを作ることができますね。
「母親は、子供の栄養バランスを考え毎日お弁当を作った方が良いが、できない時もある。
 たとえお弁当が作れなかったとしても、他の物で代用できるので大丈夫」
これでIB(固定的信念)からRB(柔軟な信念)に変えることができました。
しかし、頭ではわかっていても長年持っていた信念がすぐに変わり、罪悪感すぐになくなるわけでは
ないのです。
やはり信念と一緒に行動も変える必要があります。

行動を変える

行動を変える方法をいくつかここではご紹介します。

  • 新しいRB(柔軟な信念)を意識できるように、目が付くところに張り出す。
  • 実際子供のお弁当を持たせられなかった時に、積極的にIB(固定的信念)に反論する。

IB(固定的信念)を今まで持ち続けてきたのは、あなた自身なのです。
したがってIB(固定的信念)RB(柔軟な信念)に変えられるのもあなた自身。
行動を通して、IB(固定的信念)RB(柔軟な信念)に変えていきましょう。
あなたの行動を変化させるのは意志力が必要です。
変化させようと一度決めたら、トコトンやってください。
ただし、どんなに意志力をもって努力しても逆戻りすることもあるのでしょう。
実際逆戻りしてしまったら、弱ってしまった自分を完全に受け入れ、決して「またやってしまった! もう努力しても無駄だ」等と決めつけない事。
「絶対逆戻りしてはいけない」
と思わないことです。
こう考え自体がIB(固定的信念)だからです。
この代わりに
「逆戻りしない方が良いが、逆戻りしたらまたやり直せばよい」
RB(柔軟な信念)で行動を継続していきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
まずは不安感を発生させるあなたのイラショナルビリーフ(固定的信念)に気づくのが第一歩です。
そして、ラショナルビリーフ(柔軟な信念)にのっとった行動ができるように常に意識し、行動していきましょう。



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