【べき思考】に縛られる大人の発達障がいグレーゾーン: REBTで生きづらさから自由になろう!
私たちが「発達障がい」という言葉を耳にする時、多くの人は特定の症状や振る舞いを持つ人々を想像するかもしれません。
しかし、「発達障がい」に明確に当てはまるわけではないが、一部の特徴や困難を抱える多くの人々がいます。
この人達は「発達障がいグレーゾーン」と呼ばれる領域に位置しています。
「グレーゾーン」とは、下記の定義にあるような発達障がいの診断の基準に完全には合致しないものの、ある程度の特徴や困難を経験している状態を指します。
これらの人々は、公式な診断を受けることなく、日常生活の中でさまざまな困難に直面しています。
【発達障がいの定義】
発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。
厚生労働省ホームぺージより抜粋
「発達障がいグレーゾーン」は様々な原因が考えられますが、「べき思考」が一因として挙げられることがあります。
「〜すべきだ」「〜してはいけない」といった強い信念が、日常生活の中での判断や行動に影響を与えることがあるのです。
この記事では、発達障がいのグレーゾーンに焦点を当て、特に「べき思考」の影響と、それを乗り越えるための手法としてのREBTについて詳しく探っていきます。
「自分はもしかして発達障がいグレーゾーンではないか? 」
と不安や疑問を感じている方、
または家族や職場の身近な方で
「この人はもしかして発達障がいグレーゾーンでは?」
と感じ、その方を「助けたい」「サポートしたい」という方に向けて、有益な情報を提供します。
Table of Contents
思考の背後に隠れる「べき思考」とは?
「あの時ああすればよかった」「こんなはずじゃなかった」と、私たちは日常的にさまざまな「べき」や「べきでない」という思考に囚われることがあります。
この「べき思考」は、私たちの行動や判断、そして自己評価に影響を及ぼす強力な要因となります。
特に、「発達障がい」及び「発達障がいのグレーゾーン」にいる人々の中には、一般的な人々よりも「べき思考」の影響を強く受けやすい傾向があると指摘されています。
多くの人は多かれ少なかれ自分自身の行動や他者との関係、さらには社会全体との関わり方について、一定の「ルール」や「基準」を持ちます。
これが「べき思考」をです。
では、なぜこの「べき思考」はそんなに私たちに影響を与えるのでしょうか。
その背後には、私たちの過去の経験や、育った環境、受けた教育や文化など、さまざまな要因が絡み合っています。
特に、承認を求める気持ちや、完璧を追求する姿勢が、「べき思考」を強化する原因となります。
あなたは「べき思考」の傾向があるかどうかセルフチェック:してみよう!
「自分は常に最高の成果を出さなければならない」
「社会は常にで平等であらねばならない」
といった、無意識の中で持っているかもしれない「べき」や「すべき」の考え方。
これが「べき思考」です。
しかし、私たちは日常の中でその存在に気づくことが少ないものです。
特に、「発達障がいグレーゾーン」にいる人々は、このべき思考の影響を受けやすいのです。
「べき思考」は、私たちの行動や感情、人間関係に様々な影響を及ぼします。
しかし、その影響を明確に認識する前に、まずは自分自身の中にその思考が存在しているかを確かめることが大切です。
そこで、下記に、あなた自身が「べき思考」の傾向があるかどうかを確認するためのセルフチェックを提供します。
このセルフチェックは、あなたの日常の中での思考や行動、感情に関する質問から成り立っています。
質問に正直に答えることで、自分の中の「べき思考」の存在やその強さを知る手助けとなります。
そして、このセルフチェックを通じて、自分の中に「べき思考」がどの程度存在していることを認識することができます。
是非一度やってみてください!
「べき思考」セルフチェックシート
以下の質問に、あてはまるものにチェックを入れてください。
- 他人の行動や意見に対して「〜すべき」「〜してはいけない」と思うことが多い。
- 自分自身に対して高い基準や期待を持っている。
- 他人と自分を比較し、自分が劣っていると感じることが多い。
- 失敗やミスをした時、自分を責めることが多い。
- 人々が自分の期待に応えない時、イライラすることがある。
- 自分の価値や能力を、達成した結果に基づいて評価することが多い。
- 他人の評価や意見を極端に気にする。
- 将来の出来事や結果を予測し、それに基づいて心配することが多い。
- 「もし〜ならば、〜すべきだ」という条件付きの考えを持つことが多い。
- 見知らぬ人や新しい環境に対して、どのようにふるまうべきかというプレッシャーを感じる
結果の解釈:
0-3項目 にチェックがある場合: 「べき思考」はそれほど強くないか、あるいは適切に管理されています。
4-7項目 にチェックがある場合: 「べき思考」がやや強い傾向があります。時々、ストレスやプレッシャーを感じる原因となるかもしれません。
8-10項目 にチェックがある場合:「 べき思考」が非常に強いと考えられます。自分の感情や行動に影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。
非合理的信念を取り扱うREBTとは?
セルフチェックの結果はいかがだったでしょうか?
チェックが3個以下の方はかなり考え方が柔軟といえるでしょう。
反対にチェック5個、6個、またはそれ以上という方は「べき思考」に日々振り回されているかもしれませんね。
では、なぜ、「べき思考」をもってしまうのでしょうか?
それは
私たちの日常生活の中での不安やストレス、さまざまな感情の背後には、しばしば非合理的な信念や思考が潜んでいます。
それらは、
「べき思考」や「~するはずだ」といった思考のパターンとして現れ、私たちの行動や感情に影響を与えているのです。
そこで注目されるのが、
REBT(Rational Emotive Behavior Therapy、人生哲学感情心理療法)
です。
REBTは、アルバート・エリス博士によって1950年代に開発された心理療法の手法で、非合理的な信念を特定し、それを合理的なものに変えることを目指します。
具体的には、私たちが持つ信念や考え方、それに伴う感情や行動を「認識」し、「論駁」することで、不適切な反応や行動を修正していきます。
REBTの特徴は、クライアントが自身の考えや信念を客観的に見ることができるようサポートする点にあります。
そして、非合理的な信念を見つけ出し、その信念に基づく感情や行動のメカニズムを理解することで、自らの問題を乗り越える手助けをします。
REBTにおける「べき思考」
私たちの頭の中には、無意識のうちに形成される「べきだ」「しなければならない」といった信念や思考が存在します。
これが、「べき思考」であり、私たちの行動や感情、日常の選択を大きく左右しています。
しかし、この「べき思考」は常に正しいとは限りません。
実際、多くの場合、それが非合理的な信念であることが露呈します。
では、べき思考とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
そして、それが非合理的であるとはどういうことなのでしょうか。
「私は完璧であるべきだ。失敗すれば価値がない」というような思考は、一見、自己を高めようとするポジティブなものに見えるかもしれません。
しかし、これらは現実的でなく、また、達成することが非常に困難な要求を自分に対して抱え込むこととなります。
結果として、自分を過度にプレッシャーにさらすこととなり、ストレスや不安を増幅させる可能性が高まります。
REBTのアプローチを用いると、これらの「べき思考」がどれほど非合理的であるのかを明確に理解することができます。
まず、自分の持つべき思考を具体的に特定します。
次に、それが現実的であるか、また、自分自身の真の価値観や目標に合致しているかを考察するのです。
そして「べき思考」とその背後に隠れる非合理的な信念を深く探ることで、自身の思考のパターンを再評価し、より健全で現実的なものへと導く方法を探求します。
REBTに関してもう少し詳しくお知りになりたい方は下記の動画や記事をご覧ください。
まとめ:REBTを学んで発達障がいグレーゾーン特有の生きづらさから自由になろう
いかがだったでしょうか?
ご自身がもしかして「発達障がいグレーゾーン」かもしれない。
周囲に「発達障がいグレーゾーン」の同僚がいて心配だ。
等とこの記事を読んで感じられた方は是非REBTに関して学んでみてください。
前述した記事や動画以外にも下記の書籍はREBTの入門書として最適です。
また本記事に関するご質問はコチラから受け付けています。
「発達障害グレーゾーン」の方あるいは「発達障がい」の方々がREBTを学ぶことで少しでも生きやすくなる事を願っています!