【アルバート・エリスからの提言】 楽に生きるには性格ではなく考え方を変えよ!
世界三大心理療法家であるアルバート・エリスの著書「現実は厳しい でも幸せになれる」(アルバート・エリス著 齊藤 勇訳 文響社)の中で語っている事で自分がこれだ! と感じた事をご紹介していきます。
厳しい人生を乗り切るヒントになれば幸いです。
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失敗者ロザリンド
「現実は厳しい でも幸せになれる」の第一章ででてくるのは失敗者ロザリンドです。
彼女はファッションデザイナーであり、成功もしています。それにもかかわらず周りの要求から自分のデザインはほど遠い、
いつか自分はクビになると心配ばかりしています。
離婚したばかりなのも落ち込みの大きな原因のようです。
そんな彼女にエリスは自分を「失敗者」と考えるのをやめるようにといいます。
しかし彼女はかたくなにエリスの助言を受け入れません。
「私は結婚に失敗したし、憂鬱になったり不安になったりする。それは、自分の責任だし、間違ったことをしたのは私なんだから。自分自身は失敗者、と考えるのがなぜいけないのですか?」と
こんな風に思ってしまう事、皆さんにもあるのではないでしょうか?
失敗を全部自分のせいにしてしまう。
何事も他責にせず、自責と考えよ!
自分の身辺に起こったことは全て自分に責任がある!
よく私も部下や子供にそういって説教してきた事を思い出されます。
しかし、エリスはこう言います。
「確かにあなたは失敗した事があります。でも成功もしています。うまくできないこともあったけれど、うまくできたできたこともあったのです。(中略)人間はたくさんの考えや感情をもっていて、それによって行動し、それが良かったり、悪かったりします。だから1つの思い「行動」のために。「自分自身」を総体で悪いと全面ダメ評価をするのはおかしいのです」
私たちは良いことがあっても悪いことがあっても、その事を理由に全面的に「良い人」あるいは「悪い人」と評価しがちです。
しかし、あくまでその行為が良かった、悪かったという事は言えますが、その人自身の価値は別なのです。
生きていく上では失敗する事もあるし、失敗を恐れ悩み、不安になることもあるでしょう。
それがありのままの自分。
ありのままの自分を受け入れるのです。
自分を受け入れられるようになったロザリンドは憂鬱や不安が取り除かれ、精神的にずっと健康な状態にその後なったとの事です。
ロザリンドはなぜよくなったのか?
なぜロザリンドはよくなったのか?
それは前述したように自分をありのままに受け入れたからです。
これをエリスは「無条件の自己受容」と呼んでいます。
次にロザリンドは他の不安に関しても考えてみました。
するとあることに気が付きます。
何かを事で、憂鬱や不安の他、動揺を覚えた時、彼女は自分が「ねばならない主義」に陥ってしまっているのだと気づき、
合理的な考えによって、不安を取り除き、幸せになることができたのです。
この「ねばならない主義」に関しては下記の動画で詳しくご説明しているのでご興味のある方は是非ご覧ください。
あなたにもできる 自分を変える事
これは机上の空論で、ロザリンドのように自分を変える事なんて、できやしない!
ここまで読んできたあなたはそんな思いにとらわれているかもしれませんね。
そんなあなたにエリスはこう言います。
「
性格というのはのは強い遺伝的な傾向を含みます。(中略)非常に努力すれば、ある程度このような傾向は変えることが
できますが、完全には変えられません。ですから、自分の基本的な「性格」については、むしろそれを受け入れていくとよいのです」
確かににそうですね。
無理してなんとかしようとするより自分の性格を受けれてしまった方が楽ですよね。
しかし、これだけで終わらないのがエリスのすごい所なのです。
情緒的な問題は自分が選択している事
性格は変えられない、だから受け入れるべきと言いながらエリスはこうも言います。
「あなたは様々な情緒的は問題にとらわれるのは、それを「自分で」選択しているからだという事を知ることです。あなたは自分で選択しているのですから、逆に「自分で」自分の神経症的な傾向をいますぐやめて、それを弱める事を選択する事ができるのです」
問題にとらわれるのは、自分で選択しているから?
そんな馬鹿な事が本当にあるのでしょうか?
もう一度ロザリンドの例に戻ってみましょう。
ロザリンドはファッションデザイナーですが、自分のデザインに満足していないばかりか、いつか自分はクビになるとまで思い詰めています。
はたから見ると、なんでそこまで思い詰めるの?
と思いませんか?
彼女は今の会社で自分が納得はできていないにせよ、充分成功しているようです。
クビを言い渡されたわけでもなく、勝手にクビになることを恐れているロザリンド。
なぜ、そこまで不安になっているのでしょう?
それはロザリンド自体が不安になることを選択しているといえるのです。
他方彼女は不安にならない事を選択することもできます。
例えば、
「確かに私はたびたびデザインで失敗し、周囲に期待に応えられないこともある。また失敗によって将来今の会社をクビになるかもしれない。
だけど今そんな事を心配してもしようがない事。クビになったらなったでその時考えればよい」
こんな風に考えればロザリンドは不必要に不安に苛まれる事はないはずです。
つまりロザリンドは不安になる考えを選択しているから不安になっているといえるのです。
まとめ 壊れにくい自分をつくるには
アルバート・エリスは不安に苛まれないよう、壊れにくい自分をつくる方法を以下のようにまとめています。
- 現在や過去の事件や状況それ自体は決して、あなたを悩ませてはいない。あなたの悩みの大半は今、自分で自分を悩ませている事からきている。
- あなたは自分で動揺する事を自分で選択しているのである。だから逆に、自分の動揺を取り除くことも、自分で選択することにより実行できる。
- 今のあなたは自分に対して、絶対的な要求(~ねばならない)をいくつも突き付ける事で、自分を悩ませている。本来、成功や承認や楽しみを追求する、といった健全な願いを、不健康にも「ねばならぬ」という主張や命令に変えてしまっている。
つまり
自分が持つ「ねばならぬ」というこだわりを捨て、自分は楽に生きる! と考えさえできれば、自分自身を壊す事はなくなる、
のです。
是非心の片隅に留めておいてください。