【1人でデキるREBT講座】第四回 自分の不合理な信念(イラショナルビリーフ)を論駁して楽になろう!
前回までで
- 人は出来事によって苦しむのではなく、出来事のとらえ方(ビリーフ)によって苦しむ
- 苦しむ事(不健康な感情)の原因になるのはイラショナルビリーフ(不合理な信念)である
- したがってイラショナルビリーフ(不合理な信念)をラショナルビリーフ(合理的な信念)に変えることによって苦しみ(不健康な感情)を心配(健康的な感情)に変えることができる
とお伝えしました。
今回は不合理な信念を合理的な信念に変えるDespute(論駁)の方法をお伝えしようと思います。
Table of Contents
Despute(論駁)とは?
論駁とは
ろん‐ばく【論×駁】
読み方:ろんばく[名](スル)相手の論や説の誤りを論じて攻撃すること。「反証をあげて―する」
( Weblio辞書 より抜粋 https://www.weblio.jp/content/%E8%AB%96%E9%A7%81)
これだけ聞くと、自分の信念を全否定されそうでちょっと怖いですね(*_*)
だけどご心配なく。
REBTにおいて論駁を行う目標は
- クライアントのイラショナルビリーフが非生産的(すなわち自滅的な感情につながる)であり、非論理的で、現実に一致しない。
- それに代わるビリーフ(ラショナルビリーフ)が生産的であり、論理的しかも現実と一致するもので
あること
を理解するように励ますというものです。
したがって、対象はあくまでクライアントを苦しめているイラショナルビリーフであり、目標はイラショナルビリーフをラショナルビリーフに変えることなのです。
実際のカウンセリングではカウンセラーが様々な方法を駆使して、イラショナルビリーフを論駁します。
しかしながらカウンセラーがいなくても、あなた自身であなたのイラショナルビリーフを論駁する事は
十分可能です。
ここでは基本的な3つの論駁戦略を使って論駁していきましょう。
基本的な3つの論駁手法
仮にあなたが
「仕事で成功しなければならない。もし、仕事で成功しなければ、俺の一生はおしまいだ」
というイラショナルビリーフをもっているとしましょう。
そして、そのイラショナルビリーフを持つことで不安になり、夜も寝られない状況だとします。
非論理性に焦点をあてる
あなたのこのビリーフは論理的でしょうか?
「なぜ仕事で成功しなければならないのでしょうか?」
答えは「良い人生を送るため? よい収入を得るため?」
でしょうか?
「(仮に)良い収入を得るためとすると、仕事に成功すると必ず良い収入を得られるのでしょうか?」
そうではありませんね。
例え仕事で成功しても会社がつぶれたら良い収入をえられなくなることは十分に考えられます。
このように考えていくと、必ずしも
仕事で成功する=良い収入を得る
事ではないことがわかります。
また、
「仕事で成功しなければならない、と決めたのは誰でしょうか?」
そう。これは法律でもなんでもなく、あくまで決めたのはあなたです。
したがって
「仕事で成功しなければならない」
ではなく
「仕事で成功した方が良いが、仮に仕事で成功しなくても人生おしまい、ではない」
という事になりますね。
つまり、非論性を問う論駁は
- なぜそういえるのか?
- 誰が決めたのか?
- それは単にあなたの好みではないか?
という形をとります。
現実性に焦点をあてる
次にあなたのこのビリーフは現実的でしょうか?
「仕事で成功し続ける人は現実的にいるのでしょうか?」
「現実的に仕事で成功し続ける人がいるのであれば、誰ですか?」
このように聞いた時、そんな人なんて現実的にいないという事は簡単にわかるでしょう。
また、仮に実際に仕事を一回もミスしたことがないスーパーマンがいたとしても大丈夫。
次にこんな質問を自分自身にしてみましょう。
「仮に仕事で失敗したとしたら、どんなことが起こるのでしょうか? 人生おしまいといえるのような何がおこるのでしょうか?」
このように冷静に考えると、
仕事の失敗=人生の終わり
とは言えないことがわかります。
このように現実性に焦点を当てても
「仕事で成功した方が良いが、仮に仕事で成功しなくても人生おしまい、ではない」
という事がわかるはずです。
現実性を問う論駁では
- そのイラショナルビリーフは現実に合致しているか?
- 仮にそのイラショナルビリーフは満たされないとすると一体何が起こるのか?
という形をとります。
実利性に焦点を当てる
次にあなたはこのビリーフを信じる事でどんなメリットがあるのでしょうか?
イラショナルビリーフは不健康な感情を引き起こし、あなたをあなたの目標から遠ざけるものです。
このようなビリーフを信じることはあなたを不安と不眠を陥らせるだけであなたの人生になんらメリットがないのです。
このように実利性を問うていっても
「仕事で成功した方が良いが、仮に仕事で成功しなくても人生おしまい、ではない」
という事がわかるはずです。
このように実利性を問う論駁は
- そのイラショナルビリーフを持つことでどんなメリットがあるか?
という形をとります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アルバートエリスは
「この宇宙で絶対的”ねばならない”が存在しないことはほぼ確実である」
といっています。
あなた自身が自分のビリーフを
「これはイラショナルビリーフかもしれない」
と疑ったら、非論理性、現実性、実利性の3つの視点で論駁してみましょう。
そうする事でいつもの苦しみから解放されるはずです。
是非実践してみてください。