穴があったら入りたい! 人前で恥をかいた時に感じる羞恥心の撃退法
「穴があったら入りたい!」
恥ずかしくて誰にも会いたくなるってありますね。
ここでは
・羞恥心とはどのような感情で
・羞恥心に対してどのように対処すべきか
をお伝えします。
Table of Contents
そもそも羞恥心とはどのような感情か?
羞恥心とは人のいる前で自分の欠点、弱点、能力不足を見せてしまった、人は私を劣った人間だと思うだろう、とあなたが思い込むことから生まれます。
新入社員として入った会社の歓迎会。
2次会のカラオケにあなたは誘われます。
実は音痴なあなたはカラオケにはいきたくありません。
けれど上司から誘われ、新入社員のあなたは断るわけ
にはいかないので、しぶしぶあなたはついていきます。
カラオケ店に入って、同期の新入社員は積極的に歌を
選曲して盛り上げます。
そんな同期の様子を端で見ながら音痴なあなたはただ
マイクが回ってこない事だけ願います。
しかし無情にもマイクはあなたの前に。
あなたは一番まともに歌えそうな歌を選曲し、
意を決して歌い始めますが、音程が外れ、誰が聞いて
もへたくそ。
同期が盛り上げてくれた場の空気もあなたのせいで
どんどん冷え切ったものに。
周囲の視線があなたに突き刺さります。
やっとの思いで歌い終わってあなたは恥ずかしさのあまり
「穴があったら入りたい」
と思います。
この感情が羞恥心です。
羞恥心とは、
私はこうありたいという理想像と
周囲からどのようにみられているか
のずれです。
今回の場合は
あなたの理想は
うまく歌って場を盛り上げる!
でしたが、
実際に周囲からの視線からあなたは
歌がへたくそ。場を盛り下げてしまった…
と感じてしまいます。
そしてあなたは、
穴があったら入りたい
と、思い羞恥心に打ちひしがれてしまうのです。
羞恥心への対処法
羞恥心に対処するにはどうすれば良いのでしょうか?
REBT(Rational-Emotive Therapy)のABCモデルで分析してみよう
下記の記事でも紹介しましたが心理療法家のアルバート・エリスのREBT(論理療法)のABCモデルでは
A(activating event=出来事)が
C(consequence=結果 感情と行動)
をつくりだすのではないとしています。
A(activating event=出来事)を経験し、
その出来事はその人のB(belief=信念)に基づき認知、評価、検討され、
C(consequence=結果 感情と行動)
を生み出すのです。
したがって、B(belief=信念)を変えることができれば自ずと羞恥心はより適切な当惑に変化させる
事が可能です。
当惑とは、羞恥心より穏やかな感情です。
当惑は、弱点や欠点を人に見せたとしても、自分を茶化し、からかうことさえできます。
「私ほんとに子供の時から歌へたくそで。ドラえもんに出てくるジャイアンみたいってよく言われたんですよ~」
といえるのが当惑です。
一方羞恥心は苦痛が大きすぎため、どのようなユーモアも思いつかないでしょう。
上記の例を早速ABCに分解してみましょう。
A(activating event=出来事)は
「同僚の前のカラオケで上手に歌えなかった。」です。
C(consequence=結果 感情と行動)は
感情は羞恥心です。
B(belief=信念)は
「新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、場を盛り上げるべきだ。
それができない私は新入社員として価値がない」
ですね。
このビリーフをアルバート・エリスはイラショナルビリーフ(固定的信念)
と呼んでいます。(略してIB)
では、このIBに反論していきましょう。
実際に反論してみましょう
では実際に
「新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、場を盛り上げるべきだ。
それができない私は新入社員として価値がない」
というイラショナルビリーフ(固定的信念)に
・論理性
・現実性
・実用性
の観点で反論していきましょう。
論性性で反論する
すべて新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、
場を盛り上げるべきなのでしょうか?
その証拠はどこにあるのでしょうか?
そのようなルールは誰が決めたのでしょうか?
どこにもそのようなルールもなく、そのような証拠もありませんね。
あなたが勝手に作った考えで論理性など一切ないことは一目瞭然です。
現実性で反論する
仮に「すべて新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、場を盛り上げるのが使命とした場合、現実はどうなっているのでしょうか?」
就職試験を控える学生はカラオケの練習を試験勉強と同じくらい一生懸命やるでしょう。
会社も就職試験に歌唱という項目も入れるでしょう。
これらの事が起こっていない事をみても、この考えの現実性がないことがわかりますね。
実用性で反論する
「新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、場を盛り上げるべきだ。それができない私は新入社員として価値がない」
という考えは実用性ではどうでしょうか?
あなたにとって、このような考えを持ち続けるメリットはあるでしょうか?
苦しいだけで、メリットなんてない!
そうですね!
この考えをもっているメリットなんてないのです!
この考えの実用性なんてどこにもないのです。
新しい信念(ラショナルビリーフ)を創り出す
このようにあなたの信念がIBとわかったらラショナルビリーフ(柔軟な信念)(略してRB)を作ります。
例えばこのようなRBを作ることができます。
「新入社員たるもの、カラオケを上手に歌って、場を盛り上げられれば望ましいが、カラオケが下手でも気にする必要はない」
「カラオケ以外で会社に役立てばよい」
IB(固定的信念)からRB(柔軟な信念)に変えることができました。
しかし、頭ではわかっていても長年持っていた信念がすぐに変わり、怒りがなくなるという事はありません。
やはり信念と一緒に行動も変える必要があります。
行動を変える
行動を変える方法をいくつかここではご紹介します。
- 新しいRB(柔軟な信念)を意識できるように、目が付くところに張り出す。
- 実際カラオケに行った場面を想像し、羞恥心の感情を当惑の感情に変えるシュミレーションをする。
- 実際カラオケに行って、積極的にIB(固定的信念)を反論する。
- カラオケに限らず、人前でわざと笑われたり、非難されたりする行動をする。
(例:空想上の犬を連れて散歩に行く等、この訓練の間は自分の行動に自覚していなければなりません)
IB(固定的信念)を今まで持ち続けてきたのは、あなた自身なのです。
したがってIB(固定的信念)をRB(柔軟な信念)に変えられるのもあなた自身。
行動を通して、IB(固定的信念)をRB(柔軟な信念)に変えていきましょう。
あなたの行動を変化させるのは意志力が必要です。
変化させようと一度決めたら、トコトンやってください。
ただし、どんなに意志力をもって努力しても逆戻りすることもあるのでしょう。
実際逆戻りしてしまったら、弱ってしまった自分を完全に受け入れ、決して「またやってしまった! もう努力しても無駄だ」等と決めつけない事。
「絶対逆戻りしてはいけない」
と思わないことです。
この考え自体がIB(固定的な信念)だからです。
この代わりに
「逆戻りしない方が良いが、逆戻りしたらまたやり直せばよい」
とRB(柔軟な信念)で行動を継続していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まずは不安感を発生させるあなたのイラショナルビリーフ(固定的信念)に気づくのが第一歩です。
ラショナルビリーフ(柔軟な信念)にのっとった行動ができるようにして
いきましょう。