俺を評価しないあのバカ上司をどうにかしてやりたい!! この怒りを収める対処策とは?
「あいつ本当に頭にくる!!」
「こんな理不尽な事ある!?」
怒りに打ち震えることって、よくありますね。
最近ではアンガーマネジメントといって、怒りを
うまく管理する方法が喧伝されています。
しかし、怒りを管理する事はできるのでしょうか?
ここでは
・怒りとはどのような感情で
・どのようか対処すればよいか
お伝えします。
Table of Contents
そもそも怒りとはどのような感情か?
怒りとは、あなたのモラールやルールに対する何らかの違反です。
それは主に3つの状況で起きます。
- 他人に邪魔をされあなたの目標が達成できなかった場合
(例:なぜ上司は私を評価しないのだ!!)
- あなたのルールが破られた場合
(例:こちらが「おはよう」といったのに返事しないとは何事だ!!) - 自尊心が傷つけられた場合
(例:仕事上の失敗を上司に罵られ、上司に「自分のせいではない!!」と言い返す)
怒りを感じると相手を罵ったり、たたいたりする事があります。
これを直接的復讐と言います。
(例:別れたパートナーを罵ったり、殴ったりする)
他方、怒りを怒りの対象以外に向ける事もあります。
これを間接的復讐、または消極的攻撃とも呼びます。
(例:別れたパートナーの新しい恋人に向かって、性的な欠点を暴露する等)
また、時には物に八つ当たりする事もあるでしょう。
怒りの対象をどこに向けるかに関わらず、怒りの一番
良い対処法は、怒りを外に表す事と人は考えがちです。
確かに怒りを爆発させた後、気分がすっきりします。
しかし、この対処法は間違いです。
なぜなら、怒りを爆発させて解消することは、
あなたにイラショナルビリーフ(固定的信念)を強化
するにすぎないからです。
怒りで怒りは鎮めることはできないのです。
怒りへの対処法
このような怒りの感情にREBTのABCモデルで対処してみましょう。
REBT(Rational-Emotive Therapy)のABCモデルで分析してみよう
下記の記事でも紹介しましたが心理療法家のアルバート・エリスのREBT(論理療法)のABCモデルでは
A(activating event=出来事)が
C(consequence=結果 感情と行動)
をつくりだすのではないとしています。
A(activating event=出来事)を経験し、
その出来事はその人のB(belief=信念)に基づき認知、評価、検討され、
C(consequence=結果 感情と行動)
を生み出すのです。
したがって、B(belief=信念)を変えることができ
れば自ずと怒りはより適切ないら立ちに変化させる
事が可能です。
上記の例をABCに分解してみましょう。
A(activating event=出来事)は
「上司は私を評価していない」です。
C(consequence=結果 感情と行動)は
感情は怒りです。
行動はこの怒りによって、奥さんが大事にしていた
食器をあなたは壊してしまいました。
B(Belief=信念)は
「私は仕事を誰よりも一生懸命している。そんな私を上司は評価すべきである。
評価しない上司はとんでもない奴だ!!」
ですね。
この不健康な感情や破滅的な行動を促すビリーフをアルバート・エリスは
イラショナルビリーフ(固定的信念)
と呼んでいます。(略してIB)
では、このIBに対して反論していきましょう。
実際に反論してみましょう
では実際に
「私は仕事を誰よりも一生懸命している。そんな私を上司は評価すべきである。
評価しない上司はとんでもない奴だ!!」
というイラショナルビリーフ(固定的信念)に
・現実性
・論理性
・実用性
の観点で反論していきます。
論理性で反論する
「世の中のすべての上司は一生懸命働く部下を必ず評価しなければならない」のでしょうか?
一生懸命という言葉自体が曖昧な基準ですね。
仮に長時間働く事を一生懸命というのであれば、長時間働いても実績があげられない部下は
評価できませんね。
もし、一生懸命ということが実績も含まれるのであれば、実績さえあげていれば、良い
という考えも疑問が残るところです。
どちらにせよそのような事は誰が決めたのですか?
確かに一生懸命働く部下を上司は評価した方がよいとは思います。
しかし、一生懸命働く部下を上司が評価すべきと
いうのは言い過ぎではないでしょうか?
現実性で反論する
「世の中のすべての上司は一生懸命働く部下を必ず評価しなければならない」
という事が仮に真実だとすると、その通り現実はなっていますか?
あなた以外の一生懸命働く部下は上司から評価されているのでしょうか?
世の中の多くの一生懸命働いている部下達はあなたと同じような不満を持っている、
これが現実ではないでしょうか?
したがって、現実的に見てもこのビリーフは疑問が
残りますね。
実利性で反論する
「世の中のすべての上司は一生懸命働く部下を評価しなければならない」
という信念をあなたが持ち続けるメリットはなんですか?
「世の中のすべての上司は一生懸命働く部下を評価しなければならない」
という信念をもつ事自体何かあなたの仕事や生活に役立っているのでしょうか?
このビリーフをもっていても不愉快になるだけで、あなたには何も役立って
いないと思いませんか?
あなたは、論理的にも現実的も間違っているビリーフ
(IB)をもち、またそのビリーフをもっていても何もメリットがない事に気が付きました。
では、次から新しい信念(RB)を作っていきましょう。
新しい信念(ラショナルビリーフ)を創り出す
このようにあなたの信念がIBとわかったらラショナルビリーフ(柔軟な信念)(略してRB)を作ります。
例えばこのようなRBを作ることができます。
「上司が一生懸命働く私を評価するのは望ましいが、評価すべきという事はない。」
「たとえ、上司が私を評価しないしても、上司はとんでもない人間といえない」
このようにIB(固定的信念)からRB(柔軟な信念)に変えることができるのです。
しかし、頭ではわかっていても長年持っていた信念がすぐに変わり、
怒りがなくなるという事はありません。
やはり信念と一緒に行動も変える必要があります。
行動を変える
行動を変える方法をいくつかここではご紹介します。
- 新しいRB(柔軟な信念)を意識できるように、目が付くところに張り出す。
- 実際上司があなたを評価していない場面を想像し、怒りの感情をいら立ちの感情に変えるシュミレーションをする(実際に誰かに頼んで上司役をやってもらい、シュミレーションしてもよい)
- 実際上司が自分を評価していないと思う場面で、積極的にIB(固定的信念)を反論する。
IB(固定的信念)を今まで持ち続けてきたのは、あなた自身なのです。
したがってIB(固定的信念)をRB(柔軟な信念)に変えられるのもあなた自身。
行動を通して、IB(固定的信念)をRB(柔軟な信念)に変えていきましょう。
あなたの行動を変化させるのは意志力が必要です。
変化させようと一度決めたら、トコトンやってください。
ただし、どんなに意志力をもって努力しても逆戻りすることもあるのでしょう。
実際逆戻りしてしまったら、弱ってしまった自分を完全に受け入れ、決して「またやってしまった! もう努力しても無駄だ」等と決めつけない事。
「絶対逆戻りしてはいけない」
と思わないことです。
こう考え自体がIB(固定的な信念)だからです。
この代わりに
「逆戻りしない方が良いが、逆戻りしたらまたやり直せばよい」
とRB(柔軟な信念)で行動を継続していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まずは不安感を発生させるあなたのイラショナルビリーフ(固定的信念)に気づくのが第一歩です。
その後、怒りに向き合うか、または放っておくかはご自身のやりやす方でよいかと思います。
ただどちらにせよ、ラショナルビリーフ(柔軟な信念)にのっとった行動ができるようにして
いきましょう。