【体験談】私が発達障がいグレーゾーンを克服できた秘密: REBTの効果とは?

この記事は実際発達障がいグレーゾーンであった私がどうやって発達障がいを乗り越えたかを記載したものです。
ご自身が「もしかして発達障がいかもしれない?」
また身近な方が「発達障がいの疑いがあり、付き合うのにとても困っている」
そのような方々の助けにこの記事がなれば幸いです。

発達障害への疑念と自覚の始まり

「大人の発達障害 生きづらさへの理解と対処」(市橋秀夫著 講談社刊)
本屋でたまたま手に取ったこの書籍が私の人生の進路を変えることになるとは、その時の私は想像もしていませんでした。

何気なくページをめくるうち、その中の記述や事例が私自身の過去や日常の出来事と重なってきました。
特定の状況での適応の困難、深く考え込む傾向、人とのコミュニケーションでのミスマッチ…。
これらの記載が、まるで私の日記のように感じられたのです。

この本を読んでいるうちに、私の中に確かな自覚が芽生えてきました。
「もしかして、私は発達障がいの傾向があるのでは?」という疑問です。
また同時に自分をより深く理解するための探求心も湧き上がってきたのでした。

この疑念と自覚を胸に、私は妻にこのことを話すことにしました。
彼女は驚きながらも私の気持ちをしっかりと受け止めてくれ、そして
「きちんと検査を受けてみるのはどう?」
とアドバイスしてくれました。
彼女の言葉を胸に、私は専門的な診断を受けることを決意します。
これが、私の新しい旅路の始まりとなることを、その時の私はまだ知りませんでした。

QEEG検査: 知られざる真実

私の胸に浮かんでいた疑問と自覚を確かめるため、私はQEEG検査、すなわち定量的脳波検査を受けることにしました。
この検査は、脳の活動を測定し、特定のパターンや異常を検出するものです。
私にとっては未知の領域で、正直なところ、少し不安もありました。

検査当日、専門家の方の説明を受けながら、頭部にセンサーを取り付けられます。
目を閉じ、深呼吸をしながら、自分の脳の活動がリアルタイムで測定されていることを意識しました。
痛みは一切なく、ただ静かな部屋で時間が流れていくのを感じるだけでした。

1~2時間待つと検査結果が出ました。
先生の方から詳しく説明を受ける中、私の脳には確かにASD、すなわち自閉症スペクトラム障害の傾向が見られるとのことが告げられます。

「やはり、そうか」
私は心の中でつぶやきました。

この結果は、私の中の疑念を確証に変えるものでした。
同時に多くの感情が湧き上がりました。
驚き、安堵、そしてこれからの生き方への期待と疑問。

そんな私に先生はTMS治療を紹介しました。
TMS治療をはじめて聞く言葉でした。ポカンとする私に
「TMSは現在はうつ病の保険適用も受けている治療法であり副作用が少なく、安全性の高いうつ治療として注目を集めているんですよ」
と切り出したのでした。

脳に外部から磁気による刺激を加えることでうつ病の症状を緩和する治療法が注目されている。反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と呼ばれるもので、2017年9月に厚生労働省が医療機器として薬事承認し、18年中には保険で治療が受けられるようになる。抗うつ剤による薬物療法の効果がなく、長期間苦しむ患者の治療への適用が期待されている。

日本経済新聞 2017年12月6日 より抜粋 https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXKZO24073610Q7A131C1NZBP00/


TMS治療: 希望の光とその高額な代償


先生は続けて
TMS治療は、磁気刺激を用いて脳の特定の部分を刺激する治療法で痛みも副作用もありません。
近年、発達障がいやうつ病など、さまざまな疾患に対してその効果が期待されている治療法なのです。ASDにも効果がありますので、TMS治療をお薦めします」
と落ち着いた口調で私に告げたのでした。

「効果が期待できる」という言葉に、私の心は希望の光で満たされます。
それはまるで、長い暗闇の中でようやく見つけた小さな光のようでした。
しかし、治療費を聞いた私は驚愕したのでした。

1回の照射で2万円です。1回での治療という訳にはいきませんので、回数をまとめて購入いただいております」
といって、先生は私に料金表を渡したのでした。
一番安い8回で155,000円 48回だと864,000円です。
「先生、何回受ければ私のASDは改善するのでしょう?」
私は恐る恐る聞きます。
「個人差があるのでわかりませんが、8回で完治するという事はないです」
と先生はきっぱりとした口調で言ったのでした。
私はその場では当然判断できず、とりあえず検査結果と料金表をもらい、病院を後にしたのでした。

私は検査後の数週間、家計と向き合い、また家族とも相談しながら、私はこの治療に取り組むべきかどうかを真剣に考えました。
しかし、高額な費用や通院の手間、そして治療後の効果に対する不確実さを考慮すると、この治療を選ぶことは難しいという結論に達しました。

失望や自分への後悔の感情も湧き上がりましたが、それでも私はあきらめませんでした。
そこで私が目をつけたのが、これまで学んできたREBTの知識。私は自らの心と向き合い、REBTのセルフヘルプを試すことを決意したのです。

REBTのセルフヘルプ: 自分を変える挑戦

TMS治療の選択を見送った私は、自らの手で自分の思考や感情を整理し、改善する方法を模索しました。
そして再び目を向けたのが、以前から学んでいたREBT、Rational Emotive Behavior Therapy(人生哲学感情心理療法)のセルフヘルプでした。

REBTは、自分自身の不合理な信念や思考を見つけ出し、それを論駁することで感情や行動を健全なものへと導くアプローチ
私は、この理論を用いて、自分の持つ発達障がいに対する認識や思考を見直す決意をしました。

まず始めたのは、自分の心の中に存在する不合理な信念を一つ一つ明確にすること。
日常で感じる不快や不安、怒りの感情の背後に隠れている信念を書き出してみました。
そして、それが本当に正確なのか、他の視点から見た場合の考え方はないかを探求していきました。

このプロセスは容易ではありませんでした。
多くの場面で自分の信念に固執し、論駁が難しく感じることもしばしば。しかし、それでも私は諦めず、自分の信念を振り返り続けました。

そして、時間をかけて少しずつ、自分の不合理な信念を論駁し、新しい考え方や認識を取り入れることができるようになってきました。
これはまさに、自分自身を変える挑戦でした。私の中で、徐々に発達障がいという存在が恐れるべき敵から、自分を深く理解し成長するためのパートナーへと変わっていったのです。

効果と変化: ASD傾向の落ち着き

数ヶ月が過ぎ、私がREBTのセルフヘルプを用いて自らを内省し、信念を論駁してきた効果は、確実に日常生活の中に表れ始めました。
以前よりも人とのコミュニケーションがスムーズになり、小さな出来事に動じることが減少しました。

私の発達障がいの傾向、特に社会的コミュニケーションの困難さや特定の興味への偏りは、かつて私を深く悩ませていました。
しかし、REBTを通じて自分の感情や反応の背後にある信念を深く探る中で、それらの傾向に対する自分の受け取り方が変わってきました。

たとえば、会話中に予期しない反応をされた時、以前は「自分は何かおかしいのだろうか」と焦燥や自己否定の感情に包まれていたものが、今では「その反応はその人のものであり、私の存在や価値を否定するものではない」と自分に言い聞かせることができるようになりました。

また、自分の特定の興味や趣味に没頭する時間も、以前は「これは普通ではないのでは」と自己批判の対象となっていたものが、今では自分らしさやリフレッシュの時間として受け入れることができるようになりました。

このような日常での小さな変化が、積み重なることで、私のASDの傾向は徐々に落ち着いてきました。
それはまるで、荒れ狂う海が穏やかな湖へと変わるような、心地よい変化でした。
私はこの経験を通じて、自分自身の内面と向き合い、それを受け入れ、そして改善する力の大切さを実感することができました。

社会への還元: 発達障害ボランティア活動の開始

私の中での変化が進行する中、ただ自分だけが安らぎを感じるのではなく、同じような悩みや困難を抱える他の人たちにも何か手助けができないかと考えるようになりました。
私の経験や知識が、たとえ少しでも誰かの役に立てたらという想いから、発達障がいに関するボランティア活動を始めることを決意したのです。

まず手始めに地域のサポートグループに参加し、自分の経験をシェアすることから始めています。

今後は、セミナーやワークショップの主催、さらには専門家と連携しての情報提供やセルフヘルプグループの組織など、活動の幅を広げていきましたいと考えています。
また、REBTの手法を取り入れたセルフヘルプワークブックの制作や、オンラインでのコミュニティづくりも進めていこうと思います。

ボランティア活動を通じて、私は多くの発達障がいを持つ人々と出会い、彼らの真摯な努力や、それに伴う成果、そして未だに存在する社会的な偏見や困難に向き合う姿に触れることができるでしょう。
私の小さな活動が、彼らの生きづらさを少しでも軽減する手助けとなれることを願いながら、これからボランティア活動を拡張していくつもりです。

まとめ: 自分自身を変える力、そして他者と共に歩む道


私の旅は、一冊の発達障害に関する本から始まりました。
それは、自らの内面と深く向き合い、自分を変えることの大切さや難しさ、そしてそれが持つ可能性を痛感する旅でした。

REBTという心のツールを通じて、私は自分の中の不合理な信念や偏見を見つけ出し、それを一つ一つ論駁し、新しい自分を築き上げてきました。
それは決して容易な作業ではありませんでしたが、その過程で得た新しい視点や自己認識は、私の人生にとって非常に価値のあるものとなりました。

そして、その旅は他者との関わりの中でさらに意義を増しています。
私の経験や学びが、他者のサポートや助けとなることを実感するたびに、自らの困難や努力が報われる瞬間と感じています。

私たち一人一人は、自らの心の中で数々の戦いや困難に直面します。
しかし、それを乗り越え、新しい自分を受け入れ、さらに他者と共に歩むことで、その困難は宝物となり得るのです。

最後に、発達障がいやそれに似た悩みを抱えるすべての方々へ。
あなた自身の旅を信じ、自分を変える力を持っていることを忘れないでください。
そして、私たちは共にその道を歩んでいく仲間です。未来に向かって、共に手を取り合い、歩み続けましょう。

REBTの更なる情報はコチラの記事を参照ください。

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